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ちづるのもっと!ぬりえライフ

自分に合った、自分だけの、心地良い「ぬりえライフ」を。ぬりえライフアドバイザー・ちづるが、大人の塗り絵(コロリアージュ)を通して、ぬりえライフをもっと楽しむためのヒントを発信します。

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ダウンロード塗り絵は著作権違反?整理してみました。

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今日は少し難しい、でも大事な「著作権」のお話です。

こんなご意見を頂きました。

ちづるさんは、ネット内で見つけられる作者不明のイラストを印刷して塗ってSNSに投稿することをどう思いますか?

たまにグレースケールでそういう行為を見ます。見るたびモヤモヤします。

タダで手に入り、気軽に塗れる。

でも、誰かの著作権を侵害している。

また、タダで高クオリティのものが手に入るなら塗り絵本にお金を出す必要はなくなってしまいます。

長い目で見ると塗り絵本の出版にも影響するのでは?

それは塗り絵ブームにも影響すると思います。

TwitterやInstagramを利用している方で、同じようなことを考えたことがある方もいるかもしれませんね。

私もたまにダウンロード塗り絵をお見かけして、楽しそうだけど「これ大丈夫なのかな・・・?」とドキドキしたことがあります。

ちなみにコロリアージュ界隈で言うグレースケールとは、イラストに最初から白、黒、灰色で濃淡がついている塗り絵です。

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グレースケールは海外の塗り絵に多いみたいですね。

 

正直なところ、私は著作権についてあまり詳しくありません。

それに著作権は複雑で難しそうですよね。

私自身知識不足なためになんとなくあやふやだったので、今回のご意見を機に調べてみることにました。

そこで、今回はご意見いただいたダウンロード塗り絵について、どういうことが著作権上問題になり得るか、考えられることを整理してみたいと思います。

・・・が、頑張ります!

 

【目次】

 

 

そもそも著作権とは?

著作権という言葉、よく耳にするようにはなりましたが、結局何を指すのかなんとなくおぼろげだったので調べてみたところ、

著作権とは「著作物を制作した著作者の権利」を指す言葉

  ―『ネコにもわかる知的財産権』より

とのこと。

そして著作権の内容は、「著作者人格権」と「著作権(財産権)」の2つに分けられます。

まず「著作者人格権」は、

著作者が著作物を作ったことを証明し、保護する為の権利

  『ネコにもわかる知的財産権』より

著作物をとおして表現された著作者の人格をまもるため

  『みんなのための著作権教室』より

の権利です。

そのため、作者の許可なしに公開したり改変したりというような、

作者の気持ちに反するような、作品の扱い方をしてはいけません

  『みんなのための著作権教室』より

 とのことでした。

 

もう1つの「著作権(財産権)」は、

 著作物を営利目的で利用する際に生じる権利

  ―『ネコにもわかる知的財産権』より

著作権者が著作物の利用を許可してその使用料を受け取ることができる権利 

  ー『みんなのための著作権教室』より

 であり、複製権やインターネットに投稿するといった公衆送信権などなどは「著作権(財産権)」に含まれます。

 

ものすごくざっくりまとめると、作者の創作物や利益を守るための権利ということですね。

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自分が塗ったものをネットに投稿するのはOK?

そもそものお話なんですが、塗り絵本を購入し、自分で塗ったものを撮影してインターネット上(SNS等)に投稿するという行為。

私はもちろんのこと、このブログを読んでくださっている方の中にも、同様のことをしている方はたくさんいらっしゃると思います。

この行為に関して「著作権」と言われると、ちょっと心配になりますよね。

 

知恵袋で参考になるものがありました。

こちらのベストアンサーをざっくりまとめると、

・市販の塗り絵本は購入者に塗ってもらうことを目的としており、塗り絵本の作者は「翻案権」を放棄している。

・そのため、「翻案権」を放棄した塗り絵には著作権は及ばない。

・市販の塗り絵を塗ったものをインターネット上に投稿する行為は、「公衆送信権」の侵害にはならない。

だそうです。

 

【参考】「翻案権」についてはこちら

 

【参考】「公衆送信権」についてはこちら

 

著作権については解釈の仕方がいろいろありそうだし、この知恵袋の回答が絶対正解とは言い切れないんですが、私の今までの経験と合わせて納得できるところもあったので載せてみました。

 

ここだけの話ですが、このブログを通して過去にいくつかの出版社さんから「この塗り絵本を塗ってブログやSNSに載せてください」というお話を頂いたことがあります。

出版社さんが、SNS等のインターネットの影響力、宣伝効果の高さを強く感じていたのだと思います。

また、今年5月にあったロッテ・小梅大人の塗り絵キャンペーンでは、自分で塗ったものをブログに載せていいか主催者に問い合わせをしたところ「問題なし」との回答を頂きました。

また、ダイソーの癒しの塗り絵シリーズでは、最後のページに「塗った作品の写真をハッシュタグをつけてInstagramに投稿しよう」というような記載もあります。

 

うーん・・・。

こうやって見ると、大丈夫そうな気もしてきます。

しかし、これらの事例は各出版社や企業の取り扱いによって異なることが考えられるので、「だから大丈夫」とは一概には言えませんよね。

皆さんもご存知の通り、最近のコロリアージュブームに大きな役割を果たしたのはSNSです。

SNSが塗り絵本の売上に及ぼした影響力はきっと小さくないはず。

その影響力を考慮して出版社や作者の方が見逃してくださっているという一面もあるかもしれません。

その一方で、出版社の方や作者の方が、SNSで自身の塗り絵本が塗られているのを見て喜んでいる様子も少なからず知っています。

結局何が正解なのかわからなくなってきましたが・・・。

とりあえずは出版社の方や作者の方の不利益にならないように気をつけたいですね。

SNSに投稿するにしても、他の人に「楽しそう」「この塗り絵本を買いたい」と思ってもらえるように、そういう風につながっていければいいのかなと思います。

 

 

インターネットからイラストをダウンロードして塗るのはOK?

さて、前置きが長くなってしまいましたがいよいよ今回ご意見いただいた本題です。

 

インターネットで検索した画像をダウンロード・印刷して塗る

インターネットで見つけた素敵な線画のイラスト。

塗ってみたい!と思ったことがある方、いるかもしれません。

いまやインターネットで世界中のいろんな画像を見ることができる世の中。

中には作者がわからないイラスト画像もあるかもしれません。

作者の方に許可をとることができれば1番良いですが、たとえば海外の方で連絡先がわからないものだと許可をとるのも難しそうですよね。

これはダウンロードして印刷して、塗ってもいいのかな?

 

これ、どうやら個人で楽しむ分にはOKみたいなんです。

違法ダウンロードに関するQ&Aに次のとおり記載があります。

Q 個人で楽しむためにインターネット上の画像ファイルをダウンロードしたり、テキストをコピー&ペーストしたりする行為は刑罰の対象になるでしょうか?

A 私的利用に留まる限りは違法ではなく、刑罰の対象とはなりません。違法ダウンロードでいう「ダウンロード」は、「録音や録画」であり、音楽や映画が想定されています。画像ファイルのダウンロードまたはテキストのコピー&ペーストは「録音または録画」に該当しません。

 ー『政府広報オンライン』より(太字ちづる)

個人で楽しむ分には大丈夫なんですね。

しかし、この私的利用は次のような条件があります。

(1)個人的又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲で使うために、(2)使用する本人が、コピー・写真撮影・録音・録画などできるのですね(中略)。つまり非常に親密な範囲内での、小規模な使用が目的でないといけないと考えられています。

 ー『18歳の著作権入門』第8章より(太字ちづる)

ダウンロードした線画がとても素敵だから、他の人にも塗らせてあげたいと思うかもしれませんが、私的利用の条件から、コピーの配布は家族やごく少数の友人に限られます。

 

そしてもう1つ重要なことがあります。

それは、ダウンロードして自分で塗るという行為まではOKですが、それを撮影してSNS等のインターネット上に投稿することは認められていないということです。

不特定多数の人の前に公にすることなく、個人で楽しむ分には著作権の侵害にはならない

 ー『ネコにもわかる知的財産権』より(太字ちづる)

『18歳の著作権入門』第8章とも照らし合わせて見ていきましょう。

今回のように、個人で楽しむためにイラストをインターネットからダウンロードして印刷すること(複製)は私的利用の範囲内です。

しかし、塗ったものを撮影し、ブログやSNS等の不特定多数の人が見ることができるインターネット上に投稿することは、「公衆送信権」の侵害にあたるそうです。

私的利用は、個人的に楽しむためなら作者の許可を取らずにコピーしてもいいですよというもの。

それをインターネット上に載せることまでは許されていないということですね。

 

 

インターネットで検索した画像をダウンロードし、自分で塗り絵用の線画に編集して印刷して塗る

先ほどと似ていますが、こちらはダウンロードしたイラストを塗り絵用に編集する場合。

私はやったことがないので詳しくないんですが、アプリやソフトを使えば、既存のイラストや写真を線画にしたり、グレースケールにできるみたいですね。

これは大丈夫なんでしょうか?

 

こちらも、先ほどと同様に個人で楽しむ分にはOKみたいです。

家庭内で仕事以外の目的のために使用するために,著作物を複製することができる。同様の目的であれば,翻訳,編曲,変形,翻案もできる。

 ー文化庁HP『著作物が自由に使える場合』より

今回のようにイラストを塗り絵用の線画やグレースケールに変えるということは、「翻案」にあたると考えられます。

翻案は私的利用では許可されているので、個人的に楽しむ限りは大丈夫そうです。

しかし、その線画を他の人に配ることは、先ほども記載した私的利用の「親密な範囲内」に限られます。

そして、こちらも塗ったものをインターネット上に投稿するということは、先ほどと同様に「公衆送信権」の侵害にあたるので許されていないことになりますね。

 

せっかく塗ったものを、他の人にも見てもらいたいという気持ちは非常に良くわかるのですが、私的利用としてダウンロードしたもの、作者の許可を得ていないものについては、塗ったものをSNS等に投稿するのは良くないみたいです。

そのイラストによって、もしかしたら作者は利益を得られたかもしれない。

しかし無料でダウンロードできることがSNSで広まってしまうと、本来作者が得られるはずだった利益が得られなくなる可能性があります。

こう考えると、私的利用の範囲を超えて、作者の著作権を侵害していることになるかもしれません。

 

 

クリエイティブ・コモンズはいかが?

インターネット上のイラストを塗ってみたいけど著作権大丈夫かな・・・。

イラストの作者の許可を得るのもいろいろ大変そう・・・。

そんな方に、「クリエイティブ・コモンズ」はいかがですか?

 

「クリエイティブ・コモンズ」、聞いたことありますか?

CCライセンスとはインターネット時代のための新しい著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツールです。

 ー『クリエイティブ・コモンズ・ジャパン』より

予め作品に使用条件が記載されており、それを守ればわざわざ作者に連絡をとって使用許可を得る必要はないそうです。

こちらのサイトの説明がわかりやすいのでぜひご覧ください。

 

たとえば、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの記載がある塗り絵用のイラストを見つけたとします。

そのイラストの作者が提示する使用条件(改変可能等)を守り、作者名や作品名をきちんと表記すれば、塗ってSNS等のインターネット上に投稿してもOKです。

(*色を塗ること自体が改変にあたるかどうか確信が持てないので、改変可能の条件が付いているイラストを使用した方がいいかもしれません。)

 

また、塗り絵用ではないイラストを線画やグレースケールにしたい場合。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの記載があるイラストであり、その使用条件で改変が許可されていれば、線画やグレースケールに改変することもOK。

こちらも、先程と同様その他の使用条件を守り、作者名と作品名をきちんと表記すれば、塗ってSNS等に投稿することができると考えられます。

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの記載がある画像の検索方法は、こちらの記事が参考になりそうです。

ちなみにこのクリエイティブ・コモンズは夫に教えてもらいました。

私もまだ自分で使ったことがないので、今度機会があれば塗り絵に使えそうな画像を検索してみたいと思います。

 

 

終わりに

著作権のお話いかがでしたか。

自分のできる範囲で可能な限り調べて、照らし合わせながら整理してみました。

ただ、専門家の方には到底及ばないので、とんちんかんなところがあればこっそり教えていただけると助かります。

正直なところ脳みそが限界でバーンしそうです。

この記事を書いている最中、大学時代の卒業論文を思い出しました・・・。

 

今回の記事は、日頃塗り絵を楽しむ方、このブログを読んでくださる方に、「こういうこともあるんだな」とほんのちょっとでも考えるきかっけにでもなれればと思って書きました。

ただ、読んでくださった皆さまには、今回の記事は参考程度にとどめていただければと思います。

「よくわからないな」「本当かな」と思ったら、ぜひ調べてみてください。

 

この記事を読んでくださった方の中には、もうすでにダウンロード塗り絵をしてSNS等にも載せているという方もいらっしゃるかもしれません。

このことに対して「良くないことだからやめなさい」と言ってまわる気は全くありません。

ぶっちゃけ「みんな大人なんだから各自の判断でやればいいんじゃないか」と思っています。

著作権を調べた上で「大丈夫」と判断して行っている方もいるかもしれませんし、そもそも私が今回書いたことももしかしたら間違っているかもしれないですしね。

 

ただ1つだけ言えることは、「大人の塗り絵」だからこそ、大人だからこそ、こういう著作権についても1度考えてみてもいいんじゃないかなと思いました。

 

今回著作権について調べていく中で、私自身過去のブログ記事や塗り絵について、「あー、あれはまずかったなぁ」と反省すべきところがチラホラ出てきました。

 過去記事について修正すべきところは修正し、今後は著作権もより意識しながら気をつけていきたいと思います。

 

塗り絵は、作者さんがイラストを描いてくださるからこそ私達は楽しむことができます。

作者さんの今後の活動の励みになるように。

作者さんに不快な思いをさせないように。

素敵なイラストで私達を楽しませてくれる作者さんに感謝しながら、今後も塗り絵を続けていきたいなと思います。

 

 

参考にしたサイトや文献

みんなのための著作権教室 KIDS CRI

平成24年10月から著作権法が変わりました 販売または有料配信されている音楽や映像の「違法ダウンロード」は刑罰の対象となりました:政府広報オンライン

違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&A|文化庁

ネコにもわかる知的財産権 - 知的財産権・著作権ってなに?

18歳の著作権入門 (ちくまプリマー新書)

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