前回、「色鉛筆で塗っていると擦れて色が伸びてしまいます。何か対策はしていますか?」というご質問をいただき、私の対策をお話ししました。
私の主な対策は、
・指先の空いた手袋を装着する
・塗り絵の上に紙を置いて塗る
の2点ですが、あまり効果がなく、色も伸びるし色落ちもしてしまいます。
私もご質問者さんと同じように困っていたので、ブログを読んでくださっているみなさんに、何か対策をしているかきいてみました。
ありがたいことに、9名の方から様々な対策を教えていただいたので、内容ごとに分けてご紹介します。
【目次】
色鉛筆のにじみを防ぐ工夫
色鉛筆のかすをこまめに取り除く
塗っているときに出てしまう色鉛筆のかす。
これによって色がにじんでしまうということはありませんか?
まほさんはこんな対策を取っているそうです。
色を塗った時に出る色鉛筆かす?(特にプリズマカラーでよくでますよね)を随時吹き飛ばすなり、練り消しでとるなりします。
私的にはこすれるより、色鉛筆かすで色が滲んでいくイメージです。
ー まほさん
私も色鉛筆のかすが出ることがあり、手でささっと払っています。
まほさんのように練り消しを使うと、しっかりかすが取れそうですね。
ほかにも、羽ぼうきやメイクブラシを使用している方もお見かけしたことがあります。
色鉛筆のかすはあまり気にしていなかったなという方は、ぜひこまめに色鉛筆かすを取り除くことから試してみてください。
製図用ブラシかっこいい……!
摩擦を少なくする工夫
利き手の反対側から塗り進める・塗る順番に気をつける
これは多くの方がおっしゃっていて、言われてみると本当にそのとおり。
私の頭からスコーンと抜け落ちていて、言われて初めて思い出しました。
私は手に擦れてついたのが塗り絵本によく写ってしまってる事が多々あったので左から塗るようにしてます!
向きを変えて塗ってます
ー かえにゃんさん
右利きなので、紙の左上から右下へ向かって処理していくように気を付けています。なるべく今処理している範囲が完成形になるように心がけつつ。
塗る場所の順番を考慮して、塗った所に触れないようにして気を付けつつ塗っています。
ー ユウさん
ほかにも3名の方が、塗る方向に気をつけていることをお話しされていました。
右利きの場合は、絵の左側から塗り進める。
左利きの場合は、右側から塗り進める。
このように、塗る方向や塗る順番に気をつけることで、塗ったところにはできるだけ触れないようにすることが大切なんですね。
私の場合、絵によって塗りやすい向きがあるため、絵をくるくる回して塗ることが多いです。
そのせいもあって、塗る方向に気をつけることをすっかり忘れてしまっていました。
対策はいろいろありますが、やはり
塗ったところはできるだけ触らない
これが1番かもしれませんね。
みなさんももし可能であれば、塗る方向や順番を意識してみてください。
▼上記の写真で使用した塗り絵はこちらの「マジカル・タワー」です
手の側面が紙に触れないようにする
もしかすると塗り絵では難しいかもしれませんが、手の側面を紙にくっつけないように浮かすなども。
僕自身はほぼ諦めています(笑)。
どうしても擦りたくない場合は、肩と薬指と小指で手を支えて、手の側面が紙に触れないようにしています。
擦れないようにするために、手の側面を紙に触れさせないようにする対策です。
Keiさんもおっしゃっているように、「塗る」という形だと少し難しそうですね。
「塗る」のではなく「描く」という形であれば、手の側面を浮かせることができそうなイメージがあります。
試す際は、無理な体勢や肩こりにお気をつけくださいね。
ツルツルした紙や下敷きを敷く
私はこれまで塗り絵の上に紙を敷くという対策をしてきました。
しかし、この方法では色落ちしてしまいます。
そんな中、紙ではなく、ツルツルした紙や下敷きを敷くと良いよと教えていただきました。
人に聞いた話も含めるとコミックの表紙のようなツルツルしたコーティングの紙を敷くと良いみたいです。
紙ではなく 透明の100均で売ってる下敷きを敷いて塗ってます。
下敷きなので摩擦は より少ないかと。
透明なので下絵も見えるので 紙より良い気がします。
ー 巻さん
私は左から塗る(右利きなので)ように心がけてるのですが配色とかで、そうもいかない時は、透明の下敷きをひいて塗ったりしてます。
紙を置いてたこともあるのですが摩擦が下敷きの方が少なくて良かったです。
ー ゆっきーさん
ツルツルした素材だと、紙より摩擦が少ないんですね。
私も下敷きを持ってはいましたが、下敷きは塗り絵の下に敷くものだと思い込んでいて、塗り絵の上に敷くという発想が全くなかったので、とても意外でした。
現在早速、紙の代わりに下敷きを敷いて試しています。
ツルツルした紙や下敷きをお持ちの方は、ぜひ試してみてください。
ティッシュを敷く
塗り絵の上に、紙ではなくティッシュを敷いているという方もいらっしゃいました。
私もポリクロモスを使いますが手の下にティッシュをしいています!
ー まほさん
紙じゃなくてティッシュペーパーを敷いてます。
ー ユウさん
ちなみに、ユウさんに「紙ではなくティッシュを敷いたとき、どのような違いがありますか?」とお聞きしたところ、
紙とは触った感覚が違うので、素手の場合は敷忘れが減ります。
折り畳めば小回りもきくし。
色移りは紙と変わりないです。
これは完全に好みが分かれると思います。
ー ユウさん
とのことでした。
確かに紙だと大きいので、ティッシュは小回りがきいて良いですね。
あと、ティッシュだと汚れても処分しやすいような気がします。
紙だとどうにも処分しにくく感じてしまい、汚れても使い続けていましたが、結果、こんなに汚くなっていました……。
今思うと、これがさらに色伸びの原因にもなっていたのかもしれません。
ティッシュは色移りはしてしまうかもしれませんが、小回りがきいて、こまめに取り替えることができます。
すぐできる対策でもあるので、何か対策をしてみたい方はぜひ試してみてください。
トレーシングペーパーを敷く
塗り絵の上に、紙ではなくトレーシングペーパーを敷いているという方もいらっしゃいました。
トレーシングペーパーはあまり知らないので、気になって、普通の紙より色移りしにくいなど何か特徴があるかお聞きしてみました。
普通の紙と比べて、ペラペラなので、透けて見えるし、汚れたら捨てられるのが良い点ですね。
透明の下敷きも持っていますが私はペーパーの方が気持ちよく使えます。
紙は水気に弱いので手汗などが気になる時は、透明の下敷きも良いかもしれないですね。
何を使っても触ると多少色移りすると思うのです。
あとはフィキサチーフをこまめに振るとかでしょうか。
お好みって感じで適当にやっています。
(トレーシングペーパーは)どこで何色を使ったとかも、書き込めることもできるので便利です。
厚紙は、安定感があって私も好きですが3回くらい使い回していたら逆に色移りしてしまいました。
ー てんてんさん
ティッシュのときと同様に、汚れたら処分しやすいのは良さそうですね。
また、てんてんさんがおっしゃっているように、時には下敷きなどと使い分けたりと、状況や自分の好みに合わせて、自分が気持ちよく使えるものを選ぶ。
私は特に何も考えずにずっと紙を使い続けていたので、これを機に色々と試してみようと思いました。
摩擦を少なくする工夫まとめ
やはり、塗ったところを触ると、どうしても色が伸びてしまったり落ちてしまったりするものなんですね。
・塗ったところにはできるだけ触らないように、進め方に気をつける。
・どうしても触ってしまうときは、ツルツルした紙や下敷き、ティッシュ、トレーシングペーパーなどを敷いてみる。
特に塗り絵の上に敷くものは、今回たくさん選択肢を教えていただいたので、ぜひ色々試して、自分に合った方法を見つけてみてください。
色鉛筆を定着させる工夫
ブレンダーを重ねる
色鉛筆で塗った後、紙に定着させる工夫の1つとして、ブレンダーについて教えていただきました。
私は極力左上から塗る、ティシュを敷く、綿棒でムラを潰す(顔料が伸びて減る)、ブレンダーで顔料を潰すなどやってます。
私も正確には理解していないんですが、色鉛筆はワックス等の定着剤が入ってるパステル(定着剤無し)の様な物だと考えると良いと思います。(ゴンドラパステル使用歴有り)
フェリシモ旧Verの色鉛筆はどちらかというとパステルの感触に近い等、違いが有ります。
ブレンダーは、色鉛筆に入った定着剤ごと顔料をすり潰す感じになるので、多少色落ちを防ぐ事が出来ますが、潰れて紙に密着した顔料がより濃くなるので発色が鮮やか過ぎるくらいになります。
ー らんしょうさん
らんしょうさんは、塗る方向に気をつける、ティッシュを敷くといった対策のほかに、綿棒やブレンダーを使用しているそうです。
ちなみにブレンダーとは、
微妙な色のブレンドを作成したい場合は、ブレンダーが最適です。
ブレンダーは、色鉛筆のために使用されるバインダーから作られた柔らかい無色の鉛筆です。
2つ以上の色を組み合わせて新しい色を作成することができます。
また、色を物理的に混ぜ合わせて滑らかにし、ストロークやハードエッジを柔らかくします。
ー DERWENT HPより
実は私も持っていますが、どこで使ったらいいかわからずまだ1度も出番がありません。
今回らんしょうさんからブレンダーの特徴を教えていただいたので、1度私も試してみたいと思います。
色落ち防止はもちろんですが、より濃くなって発色が鮮やかになるというのもとても気になります。
色鉛筆の白を重ねる
ブレンダーではなく、色鉛筆の白を重ねるという方法も教えていただきました。
塗った後は極力触らないよう上から下へ塗り進めるとよいと思いますが、絵によっては難しいですよね。
私は重ね塗りの時には最後にブレンダー代わりに白の色鉛筆を塗っています。
その時点で色を伸ばしているので、その後はあまり擦れません。
ー くまさん
お話の中で、くまさんが実験した様子を写真で見せていただきました。
重ね塗りの最後に、ブレンダー代わりで色鉛筆の白を使っていると教えてくださったくまさん(@miyassy )。
— ちづる🐰ぬりえライフ (@chizurumaro) June 27, 2019
色鉛筆のメーカーによって、色伸び具合やテカリ具合がどれくらい違うか、実験までしてくださいました🙌🏻✨
すごくわかりやすい……!
これは白を重ねてみたくなりますね。
色鉛筆って面白い!😆 https://t.co/tqAyzMAhq1
確かに上から白を重ねると、指でこすってもあまり色が伸びていない!
なお、色鉛筆のメーカーや製品によって、白を重ねた後のテカリ具合や色の伸び具合は変わるそうです。
色鉛筆の白、いつどこで使ったらいいのかさっぱりわからなかったんですが、色伸び・色落ち防止という役割もあったんですね。
白を重ねることによって色にも変化が生まれそうです。
先ほどのブレンダーと同様に、色伸び・色落ち防止になるだけでなく、色の変化も楽しめる可能性があるので、ぜひ私も試してみたいと思います。
定着剤を使用する
前回、私が「気になるけど不安があって試せていない」とお話ししたフィキサチーフ(定着剤)についてです。
塗っている途中でフィキサチーフをかけても、上から塗り重ねることができるのか。
その点が気になっていましたが、実際に使用している方がいらっしゃいました。
フィキサチーフした後でも色鉛筆で塗り重ねることはある程度ならできますよ!
ー まほさん
パステルとかの定着液をこまめにかけるのもいいと思います。
ー ユウさん
ちなみにまほさんは、フィキサチーフの代わりに緑のケープを使用しているそうです。
「定着剤をかけた後どれくらい塗り重ねられるかは、フィキサチーフと緑のケープでは異なるかもしれません」とのことでした。
緑のケープは、かけた後でもある程度塗ることができるということですね。
今回ユウさんに、さらに2点質問させていただきました。
Q.定着液をこまめにかけるとき何か気をつけていることはありますか?
あまりかけすぎないこと。
乾かないと作業再開できませんし。
色鉛筆の種類によっては微妙に色が変わるかもしれないんで。あと換気。
ー ユウさん
Q.定着液の上から塗ることはできますか?
加筆修正が可能なタイプの定着液を使ってます。(ターレンスのピンクの缶)
なので、塗れなくて困ったことはあまりないです。
モノによってはエライことにもなるので、購入時の下調べはしっかりしたほうが良いと思います。
ー ユウさん
定着剤を使う際は、かけすぎないように要注意ですね。
私はこれまで仕上げのみにフィキサチーフを使っていましたが、今回教えていただけたことで、塗っている途中でフィキサチーフを使う様子を前よりイメージできるようになりました。
あとは実際に自分で試してみようと思います。
フィキサチーフなどの定着剤を試す際は、ユウさんもおっしゃっていたように、換気やスプレーのかけすぎにご注意くださいね。
▼私の仕上げ時のフィキサチーフの使い方はこちらをご覧ください。
まとめ
・色鉛筆のかすは、練り消しなどでこまめに取るとにじみ防止になる
・利き手の反対側から塗り進めるなど、塗る方向に気をつけて、塗ったところはできるだけ触らないようにする
・手の側面が紙に触れないようにする(無理な体勢には気をつけて!)
・ツルツルした紙や下敷きを敷くと摩擦が少ない
・ティッシュやトレーシングペーパーを敷くと、汚れてもこまめに取り替えやすい
・ブレンダーを重ねると、色落ち防止だけでなく発色が鮮やかになる
・色鉛筆の白を重ねると、色伸びを防ぐことができる
・フィキサチーフなどの定着剤をかけても上から塗り重ねることができる(購入時の下調べはしっかりした方が良い)
終わりに
今回ご協力くださった9名のみなさんです。
*読み方の50音順です。
・Kei Alexさん(Twitter @k_dragonisland)
・てんてんさん(Instagram @lady_bug20151224)
・まほさん(Instagram @mamorikomori)
・ゆっきーさん(Instagram @kamiyu0402)
・らんしょうさん
みなさん、どうもありがとうございました!
私が思いつかなかった方法がたくさんあり、とても勉強になりました。
すぐに試せる方法から、あまり出番のなかった道具の意外な利用法まで、幅広くさまざまな選択肢を教えていただきました。
ご質問者さんや私と同じように、色伸びや色落ちで困っている方にも、ぜひ自分に合った対策を見つけていただけたら嬉しいです。
ではまた次回〜。
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